「どの株を買えばいいですか?」「おすすめのファンドは何ですか?」
資産形成の話になると、多くの人が「何に投資するか」を気にします。でも、投資の世界で長期的な結果を左右する最大の要因は、銘柄でも利回りでもありません。「毎月いくら投資できるか」という入金力です。
私は2018年に月3.3万円の積立からスタートし、現在は月17.5万円まで入金力を高めてきました。この記事では、入金力の本質と、実際にどう増やしてきたかを公開します。
入金力とは何か
入金力とは、毎月投資に回せる金額のことです。月3万円を投資できる人と月15万円を投資できる人では、同じ利回りでも10年後・20年後の資産額に大きな差が生まれます。
たとえば年利5%で運用した場合、シミュレーションするとこうなります。
| 月の積立額 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 月3万円 | 約466万円 | 約1,233万円 | 約2,495万円 |
| 月10万円 | 約1,553万円 | 約4,110万円 | 約8,319万円 |
| 月17.5万円 | 約2,718万円 | 約7,193万円 | 約1億4,558万円 |
月3万円と月17.5万円では、30年後に約1億2,000万円もの差が生まれます。利回りを1〜2%改善するより、入金力を高める方がはるかに大きなインパクトがあります。
※上記は年利5%で複利運用した場合の試算です。将来の運用成果を保証するものではありません。
なぜ利回りより入金力が重要なのか
多くの人が「利回りを上げること」を目指します。でも、利回りを自分でコントロールすることは非常に難しいです。
世界最高の投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイでさえ、長期平均利回りは約19%です。一般の個人投資家が毎年これを超え続けることは現実的ではありません。
一方、入金力は自分でコントロールできます。収入を増やす・固定費を削減する・先取り積立を設定する。これらはすべて自分の行動で変えられます。
コントロールできないもの(利回り)を追うより、コントロールできるもの(入金力)を高める方が、再現性の高い資産形成です。
入金力を高める3つの方法
方法①:固定費を削減する(即効性が高い)
入金力を高める最初の一手は固定費の削減です。固定費は一度削減すれば毎月効果が続くため、費用対効果が最も高い施策です。
見直すべき固定費の優先順位はこうです。
- 保険料:必要以上の保障に入っていないか確認する。月1〜3万円削減できるケースがある
- 通信費:格安SIMへの乗り換えで月5,000〜1万円削減できる
- サブスク:使っていないサービスを解約する
- 住居費:金額が大きいが変更コストも高い。賃貸なら引越し・持ち家なら借り換えを検討
固定費の見直しで浮いた金額はそのまま積立に上乗せします。「固定費を削減したら、削減分を積立に回す」を自動化することが重要です。
方法②:収入を増やす(最も効果が大きい)
固定費削減には物理的な限界がありますが、収入の増加には上限がありません。入金力を飛躍的に高めるためには、収入そのものを増やすことが最も効果的です。
私が実践している収入増加の方法は3つです。
本業での昇給・転職:最も安定した収入増加です。コンサルティング会社への転職を機に年収が上がり、そのタイミングでNISAの積立を月3.3万円から10万円に引き上げました。
不動産投資:2件の区分マンションから月CF約1.2万円のキャッシュフローを得ています。融資を活用することで、自己資金以上の資産を持てる点が特徴です。
副業(小売業):個人事業主として月約8.5万円の収入があります。この収入は生活費に使わず、個別株投資(月5万円程度)に直結させています。
副業と資産形成の組み合わせについては資産形成と副業を組み合わせた実体験で詳しく書いています。
方法③:先取り積立で自動化する(継続のカギ)
入金力を高めても、それを確実に投資に回す仕組みがなければ意味がありません。
「余ったお金を投資する」方法では機能しません。生活費は必ず「余る前に使い切られる」からです。正しい順番は「先に投資に回して、残りで生活する」です。
私のNISA(月10万円)とiDeCo(月2.5万円)は自動引き落としで設定されており、毎月手動で操作する必要がありません。「積み立てるかどうかを考えない」状態が、8年間続けられた最大の理由です。
私が月3.3万円から17.5万円に増やした変遷
実際にどう入金力を高めてきたかを時系列で公開します。
2018年:月8.3万円でスタート
NISA月3.3万円+iDeCo月5,000円でスタートしました。当時は「とりあえず制度を使う」という程度の意識でした。
転職:iDeCoを月5,000円→2.5万円に増額
転職を機にiDeCoの拠出額を引き上げました。転職前の会社では企業型DCとの併用制限がありましたが、転職後は制約がなくなり満額近くまで拠出を増やしました。月の積立は合計約12.5万円になりました。
2年前:NISAを月3.3万円→10万円に引き上げ
年収が上がったタイミングと新NISAの開始(2024年)が重なり、NISAを上限の月10万円まで引き上げました。生活費は変えずに、増えた収入をそのまま積立に上乗せした結果です。
副業収入安定後:個別株5万円を追加
副業(小売業)の収入が安定してから、個別株への投資を月5万円追加しました。現在の月17.5万円という入金力は、本業収入+副業収入の組み合わせで成り立っています。
子育て世帯が入金力を維持するために意識すること
子育て世帯は、保育料・医療費・習い事など固定費が増えるタイミングがあります。入金力が下がりやすい時期を事前に把握しておくことが重要です。
入金力が下がりやすいタイミング:
- 保育園入園(保育料が発生する・我が家は月5.4万円)
- 産休・育休(給付金の入金タイムラグで一時的に現金が減る)
- 不動産購入(諸費用・頭金が必要になる)
対策:
- 保育料は「3歳以降に無償化される期間限定コスト」と割り切り、積立は維持する
- 産休・育休前に緊急予備資金を厚めに確保しておく
- 入金力が下がる時期を事前に把握して、その期間は積立額を一時的に下げる選択肢も持っておく
保育料の実際のコストについては保育料はいくらかかる?認可保育園のリアルな費用にまとめています。
まとめ:入金力を高める3ステップ
資産形成における入金力のポイントをまとめます。
- 入金力とは:毎月投資に回せる金額のこと。利回りより入金力の方が資産形成の結果に影響する
- 高める方法①:固定費を削減して浮いた分をそのまま積立に上乗せする
- 高める方法②:本業昇給・転職・副業で収入を増やす。収入増加分は生活費に使わず積立へ
- 高める方法③:先取り積立で自動化する。「余ったら投資する」をやめる
- 子育て世帯は:入金力が下がる時期を事前に把握して備えておく
「どこに投資するか」より「いくら投資できるか」の方が、長期的な資産形成の結果を左右します。まず入金力を高める仕組みを作ることから始めてみてください。
※本記事のシミュレーションは年利5%で複利運用した場合の試算です。将来の運用成果を保証するものではありません。投資にはリスクが伴います。
よくある質問
Q. 入金力を高めるために最初にやるべきことは何ですか?
固定費の見直しから始めることをすすめます。保険料・通信費・サブスクを見直すだけで、月1〜3万円の削減が期待できます。削減分はそのまま積立に上乗せする自動設定をすることで、入金力が即座に上がります。
Q. 副業を始めずに入金力を上げる方法はありますか?
本業での昇給交渉・転職・固定費削減の3つが副業なしでできる方法です。特に転職は収入増加のインパクトが大きく、転職に合わせて積立額を引き上げるタイミングとして有効です。
Q. 子育て中で保育料が高く、積立を続けるのが難しいです。
保育料は3歳以降に無償化されるため、期間限定のコストです。積立額を一時的に下げる選択肢もありますが、できる限り維持することをすすめます。複利は「時間×元本」で効果が出るため、積立を止める期間が長くなるほど将来の資産に影響します。
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