クライアントヒアリングが苦手だったコンサルが変えた5つの質問設計

家族資産設計
この記事を書いた人:34歳・コンサルティング会社勤務(年収700万円台)・2歳娘の父。
不動産投資2件・NISA・iDeCoを2018年から運用しながら、50歳までに純資産1.5億円を目指している。
副業(小売・ブログ)も並行して実践中。

「そもそも、なんでそれ聞かなかったの?」

クライアントヒアリングを終えて社内共有をしたとき、上司からそう言われて何も言い返せなかったことがあります。1時間近く話を聞いたはずなのに、肝心なことが何も聞けていなかったのです。

以前、レビューで「論点が違う」と言われ続けた実体験を書きましたが、要件定義の手前にあるヒアリングの段階でも、私は長い間つまずいていました。今回は、ヒアリングが苦手だった頃の失敗と、そこからどう改善したのかを実体験ベースで紹介します。


ヒアリングが苦手だった頃の話

コンサルタントになりたての頃、私はヒアリングの場に出るたびに緊張していました。クライアントの話を遮ってはいけないという意識が強く、相手が話す内容をひたすらメモすることに集中していました。

ヒアリングが終わって社内に持ち帰ると、決まって聞かれたのが次のような質問でした。

「それで、本当に困っていることは何なの?」
「今の話、要望と課題がごちゃまぜになってない?」
「なんでそこを深掘りしなかったの?」

私は「たくさん話してもらえた=良いヒアリング」だと思い込んでいました。しかし、情報量が多いだけで、肝心の「何が課題で、何を実現したいのか」が整理できていなかったのです。

原因は「答えやすい質問」ばかりしていたこと

現状を聞くことに終始していた

振り返ると、私の質問はいつも「今どうなっていますか」という現状確認ばかりでした。現状を聞く質問は相手にとって答えやすく、会話も途切れません。しかし、それだけでは「なぜそれが問題なのか」「本当は何を実現したいのか」までたどり着けませんでした。

沈黙が怖くて自分から話してしまっていた

もうひとつの原因は、沈黙への苦手意識でした。相手が考え込んで黙る時間があると、気まずさに耐えられず、つい自分から「つまり、こういうことですかね」と話を継いでしまっていました。今思えば、相手が本音に近づこうとしている沈黙を、自分が壊してしまっていたのだと思います。


ヒアリングが改善できた5つの質問設計

① ヒアリング前に「論点」を仮で決めておく

「なんとなくそう思う」は根拠じゃない、という気づきを得てから、ヒアリング前に「今回、最終的に何を決めるためのヒアリングか」を仮で言語化するようにしています。論点が曖昧なままヒアリングに臨むと、質問も雑談レベルで終わってしまうと実感しました。

② 「要望」と「課題」を分けて聞く

クライアントが話す内容は、多くの場合「要望(こうしてほしい)」です。私は今、要望が出てきたら「そう思われた背景には、どんな困りごとがありますか」と一段掘り下げて、要望の裏にある課題を分けて聞くようにしています。要望をそのまま鵜呑みにすると、本質的でない解決策にたどり着いてしまいます。

③ 「なぜ」を最低2回は重ねて聞く

表面的な回答で終わらせず、「なぜそう感じられたのですか」をもう一段重ねて聞くようにしています。1回目の「なぜ」で出てくる答えは、まだ表面的なことが多いというのが実感です。2回目まで聞いて、ようやく本当の課題が見えてくることがよくあります。

④ 沈黙を埋めずに5秒待つ

相手が黙り込んだときは、意識して5秒数えるようにしています。以前の私はその沈黙をすぐに埋めてしまっていましたが、待つことで相手が自分の言葉で考えを整理し、より本音に近い答えが返ってくることが増えました。

⑤ ヒアリング直後に「論点は合っていたか」を振り返る

ヒアリングが終わったらすぐに、当初仮で立てていた論点と、実際に聞けた内容がずれていないかを振り返る時間を取るようにしています。ずれていた場合は、次の機会に確認すべき項目としてメモに残しています。この振り返りの積み重ねが、質問設計の精度を上げてくれました。


ヒアリング前に私が必ず確認していること

現在は、ヒアリングに向かう前に次の3つを確認しています。

  • 今回のヒアリングで、最終的に何を判断できればゴールか
  • 「要望」を聞いたら、その裏の「課題」まで聞く準備ができているか
  • 沈黙が来たときに、自分から話を継がない心構えができているか

この準備をするようになってから、「なんでそこを聞かなかったの」と言われる場面は大きく減りました。


よくある質問(FAQ)

Q. ヒアリングでたくさん質問リストを用意した方がいいですか?

質問の数よりも、論点に沿っているかどうかが重要だと感じています。私の場合、質問リストを細かく作り込むより、「今日聞くべき論点」を3つ程度に絞ってから臨む方がうまくいきました。

Q. クライアントが話しすぎて、聞きたいことが聞けないときはどうすればいいですか?

話の区切りで「ありがとうございます、少し整理させてください」と一度会話を区切ってから、次の質問に移るようにしています。相手の話を否定せずに軌道修正する言い方を持っておくと安心です。

Q. 聞きにくいことを質問するコツはありますか?

質問の前に、なぜそれを聞きたいのかという意図を一言添えるようにしています。「今後の進め方を検討する上で伺いたいのですが」のように前置きすると、相手も答えやすくなると感じています。


まとめ:ヒアリングは「聞く量」ではなく「論点の精度」

ヒアリングが苦手だった頃の私は、たくさん話してもらうことが良いヒアリングだと思い込んでいました。しかし本当に必要だったのは、論点を先に決め、要望の裏にある課題まで掘り下げる質問の設計でした。

  • ヒアリング前に論点を仮で決めておく
  • 「要望」と「課題」を分けて聞く
  • 「なぜ」を最低2回重ねる
  • 沈黙を埋めずに待つ
  • ヒアリング直後に論点とのずれを振り返る

今、ヒアリングの後に「なんでそこ聞かなかったの」と言われて落ち込んでいる方も、それは話す力の差ではなく、質問の設計の差だと思います。まずは、ヒアリング前に論点を一言で決めておくことから試してみてください。


【著者プロフィール】
34歳・2歳の娘を育てる、都内近郊在住のコンサルティング会社勤務(年収700万円台)。副業でブログ・不動産投資(2物件)・小売(個人事業主・青色申告)を並行しながら、50歳までの純資産1.5億円を目指して資産設計中。このブログでは、実体験にもとづいた家族資産設計・コンサル思考の考え方を発信しています。

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