「共働きなのにお金が全然貯まらない」「夫婦でお金の話をするとケンカになる」
共働き家庭の家計管理は、一人が管理する家庭よりもむしろ難しい側面があります。2つの収入があるのに「どちらが何を払うか」が曖昧なまま、気づけば月末に残高が少なくなっている——そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
我が家(夫婦+1歳娘)は、現在は夫の年収700万円台と副業収入で家計を支えています。娘が2歳になり保育園に入るタイミングで妻が正社員として復職予定で、そこから本格的な共働き体制に移行します。
育休中の今だからこそ、「妻が復職した後の家計をどう設計するか」を先に決めておくことが重要だと考えています。老後まで見据えたライフプランをExcelで管理し、日々の支出はおしどりアプリで夫婦リアルタイム共有する仕組みを整えたのも、復職後の二馬力運用をスムーズに始めるための準備です。
今回は我が家が実践している「Excelライフプラン×おしどり」のトップダウン家計管理法を解説します。
共働き家庭の家計管理が難しい理由
共働き家庭の家計管理でよくある失敗パターンは3つです。
①「なんとなく割り勘」で全体が見えない
「家賃は夫、食費は妻、光熱費は折半」といった分担をしていると、家庭全体の収支が誰も把握していない状態になります。それぞれが「自分の担当は払っている」と思っているうちに、貯蓄が積み上がらないまま時間が過ぎていきます。
②「お互いの収入・支出を知らない」問題
別財布で管理していると、夫婦それぞれがどれくらい使っているか分からなくなります。一方が節約を意識しているのに、もう一方が自由に使っているとすれ違いの原因になります。
③「今月やりくりできればOK」思考
月単位の収支だけ見ていると、数年後に控える教育費・住宅費・老後資金などの大型支出に備えられません。「今月は黒字だったからOK」という感覚では、長期的な家計の破綻リスクを見落とします。
これらを解決するのが、Excelで大枠を設計してからおしどりで日々執行するトップダウン方式です。
STEP1「Excelライフプラン」で家計の設計図を作る
家計管理の出発点は「月いくら使っていいか」という月次予算ではなく、「人生全体でいつ・いくら必要か」という大きな絵を描くことです。これをライフプランと呼びます。
我が家のExcelライフプランには以下の項目を年単位で入力しています。
- 夫の年収推移(給与収入・昇給見込み・副業収入)
- 妻の復職タイミング・復職後の収入見込み
- 毎年の生活費・固定費・変動費の見込み
- 娯楽費の年間積立額(旅行・家族イベント等の大型出費に備える)
- 子ども3人分の教育費(全員私立理系大学想定:総額約3,600万円)
- 不動産投資ローンの返済額と家賃収入
- NISA・iDeCoの積立と資産残高の推移
- 老後に必要な資産額と到達見込み年齢
教育費の前提として、我が家では子ども3人全員・私立理系大学進学を最大値として想定しています。公立小中高+私立理系大学で1人あたり約1,200万円、3人合計で約3,600万円が必要な計算です。
「なぜそこまで想定するのか」という話ですが、理由はシンプルです。「大人の経済事情で子どもの選択肢を狭めたくない」からです。子どもが将来「理系に進みたい」「私立に行きたい」と思ったとき、家計の都合で諦めさせることだけは避けたい。最大値で準備しておいて、使わなかった分は老後資金に回せばいい。そう考えています。
年利3%で運用した場合、3,600万円を18年間で準備するには月約12.6万円の積立が必要です。妻の復職後はNISAの積立枠をフル活用し、この目標値に向けて積み上げていく設計にしています。
「何歳のときに家計が最も苦しくなるか」「老後資金は何歳までに何円貯まるか」が一目で分かります。例えば我が家では、娘が大学に入る約17年後が教育費のピークと試算されており、そこに向けて逆算した積立額を設定しています。
Excelライフプランは年に1回(年末か年始)に見直し、収入・支出・家族構成の変化を反映させます。この「年1回の見直し」がブレない家計設計の核心です。
ライフプランから逆算して「月の予算」を決める
ライフプランで年間の貯蓄目標額が決まったら、そこから月の予算を逆算します。「今年は年間150万円貯めるためには、月12.5万円を積立に回す必要がある→残り生活費は月○万円以内に収める」という計算です。この「月の予算」がおしどりに入力するベースになります。
STEP2「おしどりアプリ」で日々の支出を夫婦共有する
ライフプランで月の予算が決まったら、次はその予算内に収めるための日次管理です。我が家が使っているのが夫婦向け家計管理アプリ「おしどり」です。
おしどりの特徴は、夫婦2人が同じ家計帳を共有できることです。夫が外食でカードを使ったら夫のスマホから記録、妻がスーパーで買い物したら妻のスマホから記録、それが即座に相手にも反映されます。
我が家のおしどり活用法
予算の設定はExcelライフプランから算出した月次予算をそのままおしどりに入力しています。カテゴリごとに「食費8.5万円・外食1万円・日用品2万円」といった上限を決め、月の残り予算を常に把握できる状態にしています。
我が家の支払いは基本的にクレジットカードで完結しており、現金はほぼ使いません。おしどりはクレカと連携しているため、支出がほぼ自動でアプリに取り込まれて可視化されます。手動で入力する手間がほとんどないため、家計管理が続かない原因の「記録が面倒くさい」問題を根本から解消できています。現金を使うのは本当に最後の手段のみで、その際だけ手動で記録します。
月末には夫婦で5〜10分の振り返りをします。「今月は外食費が予算オーバーだった」「日用品が少なかったのはふるさと納税のお米があったから」といった会話を通じて、翌月の調整につなげます。この短い会話が、お金のことで夫婦がすれ違わないための最大の予防策です。
クレカ払いに統一することには、家計管理以外のメリットもあります。ポイントが貯まること、支出の履歴が自動で残ること、家計アプリとの連携がスムーズなこと、の3点です。我が家では年間のカード利用額に対してポイントが還元され、実質的な節約にもなっています。
トップダウン家計管理の全体像
改めて全体の流れを整理するとこうなります。
| 管理レイヤー | ツール | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 年次設計 | Excelライフプラン | 年1回 | 老後まで見据えた収支・資産シミュレーション |
| 月次予算 | Excelライフプラン→おしどりに転記 | 月1回 | ライフプランから逆算した月次予算の設定 |
| 日次記録 | おしどり | 毎日 | 夫婦の支出をリアルタイム共有・残予算確認 |
| 月次振り返り | おしどり | 月末 | 予算との差異確認・翌月の調整 |
大切なのは「上のレイヤーが下のレイヤーを規律する」という構造です。ライフプランがあるから月予算が決まり、月予算があるから日々の記録に意味が生まれます。日次の記録だけをしていても、目標がなければただの記録に終わります。
共働き家庭の収入分担はどうしているか
「2人の収入をどう管理するか」は共働き家庭の永遠のテーマです。我が家のやり方を公開します。
現在は夫の収入のみで家計を回していますが、娘が2歳になる復職後は夫婦2人の収入が入ってきます。このタイミングで「2人分の収入をどう管理するか」を事前に決めておかないと、収入が増えたのに何故か貯まらない「共働き貧乏」に陥るリスクがあります。
我が家で決めているルールはこうです。復職後も生活費の基準は今(夫の収入のみ)と変えない。妻の収入はそのままNISA積立・教育費積立・副業収入と合わせて資産形成に回す。生活水準を上げるのではなく、「収入が増えた分だけ資産形成のスピードを上げる」という方針です。
副業収入についても同様で、毎月の生活費には組み込まず「入ったら資産形成に回す」という位置づけにしています。生活費を給与収入だけで賄えるように設計しておくことで、副業収入の変動に家計が左右されない安定した構造になっています。
また、娯楽費(旅行・家族イベント・外食など)は月次の生活費とは別に年単位で積み立てています。「今月は旅行に行けるか」ではなく「今年の娯楽予算は○万円」と年間で管理することで、楽しむべきお金を罪悪感なく使える仕組みになっています。
ポイントは「共同口座への振込額はライフプランで決める」ことです。感覚で決めるのではなく、年間目標から逆算した金額を自動振込に設定しているため、「今月は使いすぎたから積立を減らそう」という判断が入り込まない仕組みになっています。
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ライフプランを作る上で押さえておきたい3つのポイント
① 収入は「手取り」で計算する
税金・社会保険料を引いた手取り額で試算しないと、実態と乖離します。特に育休中の収入激減・産後の保育料増加などは見落としがちです。
② 教育費は「公立進学か私立進学か」で大きく変わる
幼稚園から大学まで全て公立なら総額約800万円、全て私立なら約2,400万円以上かかります。この前提をどう設定するかでライフプランの数字が大きく変わります。我が家では「高校まで公立・大学は本人の希望次第」という前提で試算しています。
③ 老後資金は公的年金を差し引いて考える
老後に必要な資金総額から、受け取れる見込みの公的年金額(ねんきん定期便で確認)を差し引いた「不足額」が自分で準備すべき金額です。よく言われる「老後2,000万円」はあくまで平均的な試算であり、個人の生活水準・退職年齢によって大きく異なります。
まとめ:ライフプランを軸に日々の家計を管理する
- 共働き家庭の家計管理は「大枠の設計」と「日々の執行」の2層構造で考える
- Excelライフプランで老後まで見据えた年次シミュレーションを年1回作成・更新する
- おしどりアプリで夫婦の支出をリアルタイム共有し、月予算の進捗を把握する
- 共同口座への振込額はライフプランから逆算して自動化し、感情を入れない
- 月末の5分振り返りが、夫婦のお金のすれ違いを防ぐ最大の予防策
家計管理は「節約」ではなく「設計」です。目指すゴールから逆算して、今何をすべきかを決める。このトップダウン思考を家計に取り入れることで、将来への不安が「具体的な数字」に変わっていきます。
→ 家族資産設計の全体像については「家族資産設計の基本原則|守る・増やす・最適化・残すの4つの柱」もあわせてご覧ください。
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