この記事を書いた人:34歳・2歳の娘を育てる、都内近郊在住のコンサルティング会社勤務(年収700万円台)。副業でブログ・不動産投資(2物件)・小売(個人事業主・青色申告)を並行。
「築古マンションって大丈夫なの?」「古い物件はリスクが高いんじゃないか」——築古物件への投資を検討しているけれど、不安が拭えない方は多いと思います。
私はコンサルティング会社に勤める会社員です。現在不動産を2物件保有しており、そのうち1件目は都内の築古区分ワンルームマンション(購入価格700万円)です。この記事では、築古マンション投資のメリット・デメリットを整理した上で、業界にある反対意見も正直に紹介し、私がなぜ都内築古区分ワンルームを選んだのか、その理由を3つの視点から解説します。
築古を検討中だけど踏み出せない方の疑問を、実体験をもとに解消します。
築古マンション投資のメリット
メリット① 購入価格が低く、利回りが出やすい
築古物件の最大のメリットは、購入価格が低いため実質利回りが出やすいことです。新築・築浅物件は価格が高い分、利回りが圧縮されます。一方、築古物件は価格が下がっている分、同じ家賃収入でも利回りが高くなります。
私の不動産①(都内築古)は700万円で購入しました。都内の立地でこの価格帯の物件は、新築では絶対に手が届かない水準です。低価格で購入できたことで、生活防衛資金480万円を維持しながら投資できました。
メリット② 価格下落リスクが小さい
不動産の価格は築年数が経つほど下落しますが、ある程度の築年数を超えると価格の下落が止まり、底値圏に達するという特徴があります。目安はおおよそ築30年前後です。この水準を超えた物件は、それ以上大きく値下がりしにくいとされています。
新築・築浅物件は購入直後から価格が大きく下落するリスクがありますが、すでに底値圏にある築古物件はその心配が小さいです。
メリット③ 減価償却を活用した節税効果
築古物件は耐用年数が短い(または超過している)ため、減価償却期間が短く・年間の経費計上額が大きくなるという節税メリットがあります。特に木造物件(法定耐用年数22年)は、耐用年数超過後の場合4年で全額償却でき、節税効果が高いです。RC造(法定耐用年数47年)の場合は木造ほど短縮されませんが、いずれも確定申告時の経費計上として機能します。なお、節税効果を実感しやすいのは主に高所得帯(目安として年収900万円以上)の方であり、節税だけを目的に購入することはおすすめしません。あくまで収支が成立する物件を選んだ上での付随的なメリットとして捉えてください。
メリット④ 実務を学ぶコストが低い
不動産投資は「買った後」が本番です。管理会社とのやり取り・修繕判断・確定申告——これらの実務は、実際に物件を持って初めて身につきます。1件目で学ぶならば、高額物件より低価格の築古物件の方が、万一失敗してもダメージが小さいです。
築古マンション投資のデメリット・注意点
デメリット① 修繕リスクが高い
築古物件は設備が古い分、修繕リスクが高まります。給湯器・エアコン・水道管など、主要設備の交換時期が近づいている場合、購入後すぐに修繕費用が発生することもあります。
特に大規模修繕は一時金の負担が大きく、ワンルームの場合1戸あたり100〜150万円程度が目安とされています。長期修繕計画が存在するか、修繕積立金の残高が十分かを購入前に必ず確認してください。対処法は購入前のインスペクション(建物調査)と、家賃収入の5〜10%を修繕積立として積み上げることです。「修繕費は必ず発生するコスト」として収支計画に織り込むことが前提です。
デメリット② 融資条件が厳しくなる場合がある
築古物件は金融機関によって融資条件が厳しくなることがあります。特に1981年(昭和56年)6月以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の物件は、現行の新耐震基準を満たしていないため、融資してくれる金融機関が大きく限られます。木造物件で耐用年数超過の場合も同様に、融資期間が短くなる・融資が難しいケースがあります。RC造の区分マンションは比較的融資を受けやすい傾向がありますが、旧耐震かどうかは購入前に必ず確認すべき最重要項目の一つです。
デメリット③ 入居者ニーズへの対応が必要
築年数が古いほど、設備の古さが入居者から敬遠される可能性があります。特にキッチン・浴室・トイレなどの水回りが古い場合、空室期間が長引くリスクがあります。リフォームによる入居者ニーズへの対応コストも考慮が必要です。
区分ワンルーム投資には否定的な意見もある
ここまで築古区分ワンルーム投資のメリットを中心に解説してきましたが、公平を期すために、業界には明確に否定的な意見があることも正直にお伝えします。
「空室=収入ゼロ」というリスク集中
区分マンション投資(ワンルームを含む)の最大の弱点として指摘されるのが、1室しか所有していないため、空室になった瞬間に家賃収入がゼロになるという点です。一棟アパート・マンション投資であれば、複数戸のうち1戸が空室でも他の部屋の家賃収入でカバーできますが、区分投資ではその分散が効きません。空室期間中もローン返済・管理費・修繕積立金の支払いは発生するため、手持ち資金でこの持ち出しをカバーできるかが重要な論点になります。
修繕積立金不足のマンションは珍しくない
国土交通省の調査によると、修繕積立金が計画に対して不足しているマンションは全体の3割超にのぼるというデータもあります。管理費等を3ヶ月以上滞納している住戸があるマンションも一定割合存在します。「長期修繕計画があるか」「積立金残高が十分か」「滞納状況はどうか」を、管理組合の議事録等で確認することが不可欠です。
「区分マンション投資はおすすめしない」という立場の不動産会社も多い
一棟投資を専門とする不動産会社を中心に、「区分マンション投資は資産拡大の手法としておすすめできない」という立場を明確にしているところも少なくありません。理由としては、月々のキャッシュフローが赤字になりやすいこと、空室リスクの分散が効かないこと、売却時のキャピタルゲインも限定的であることなどが挙げられています。
私自身は、上記のリスクを理解した上で、低価格で始められる・実務を学ぶ最初の1件として築古区分ワンルームを選びました。区分ワンルームがすべての人に適した投資手法だとは考えていません。ご自身の目的(実務経験を積みたいのか、キャッシュフローを最大化したいのか等)に応じて、一棟投資など他の選択肢とも比較した上で判断することをおすすめします。
なぜ都内築古区分ワンルームなのか:3つの理由
デメリットと反対意見を把握した上で、私がそれでも都内築古区分ワンルームを選んだ理由を解説します。これは単なる好みではなく、需給構造・価格特性・リスク管理の3つの観点から導いた結論です。
理由① ワンルーム規制で新規供給が制限されている
東京都および多くの区市町村では、ワンルームマンション規制(ワンルーム条例)が設けられています。これは新築ワンルームマンションの建設に対して、戸数制限・最低専有面積・ファミリー向け住戸の併設義務などを課す規制です。
この規制により、都内の好立地エリアでは新規ワンルームの供給が実質的に制限されています。新しいワンルームが建てにくい環境では、既存の築古ワンルームへの賃貸需要が維持されやすいという構造が生まれます。
供給が制限されている市場では、既存物件の希少性が保たれます。これが都内築古ワンルームの空室リスクを相対的に低くしている要因の一つです。
理由② 都内への人口集中が続いており、賃貸需要が安定している
東京都への人口流入は、地方からの若年層・単身者・転勤族などによって継続しています。特に都心・都内近郊エリアでは単身世帯の賃貸需要が旺盛です。
理由①(ワンルーム供給制限)と組み合わせると、需要は維持・拡大する一方で供給は制限されるという構造になります。この需給バランスは、長期的な空室リスクの低減につながります。
地方物件と比較した場合、都内物件は購入価格は高いものの、この需給構造の安定性が長期保有における安心感につながっています。
理由③ 築30年前後で価格の下限を迎え、値下がりしにくい
マンションの価格は一般的に築年数とともに下落しますが、築30年前後を境に価格の下落幅が小さくなり、底値圏に達する傾向があります。これは以下の理由からです。
- 建物価値(減価)がほぼゼロになり、土地価値が主体になる
- それ以上の価格下落を期待する買い手がおらず、需給が均衡する
- 都内の土地価値は長期的に下落しにくい
新築・築浅物件は購入直後から価格が大きく下落するリスクがありますが、すでに底値圏にある築古物件はこのリスクが小さいです。購入価格700万円の私の物件は、この底値圏にある価格帯であり、大きく値下がりするリスクが限定的と判断しています。
3つの理由をまとめると、都内築古区分ワンルームは「供給制限×需要安定×価格底値」という三拍子が揃った投資対象です。これが新築・地方物件ではなく、都内築古区分ワンルームを選んだ背景です。
築古物件を選ぶ際のチェックポイント
都内築古区分ワンルームの投資メリットを理解した上で、実際に物件を選ぶ際のチェックポイントを整理します。
| チェック項目 | 確認内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 耐震基準 | 1981年6月以降の新耐震基準か | 旧耐震は融資・資産価値の両面でリスクが高い |
| 管理状態 | 共用部の清掃・修繕履歴・管理組合の健全性 | 管理が行き届いた物件は入居者が付きやすい |
| 修繕積立金 | 修繕積立金の残高・長期修繕計画の有無・滞納状況 | 積立不足は将来の一時金徴収リスクになる |
| 立地・駅距離 | 最寄り駅から徒歩10分以内が目安 | 空室リスクの8割は立地で決まる |
| 専有面積 | 20㎡以上が目安(融資条件にも影響) | 狭すぎると融資・入居者確保が難しくなる |
| 現況家賃 | 周辺相場と比較して適正か | 相場より高い家賃は退去後に下落するリスク |
| 構造 | RC造・SRC造が望ましい | 耐久性・融資条件・入居者ニーズに影響 |
よくある質問
Q. 旧耐震の物件は絶対に避けるべきですか?
必ずしも絶対とは言えませんが、融資を受けられる金融機関が大きく限られる点、将来の売却のしやすさにも影響する点は理解しておく必要があります。旧耐震でも独自の耐震補強がされている物件(ヴィンテージマンションと呼ばれることもあります)もありますが、初めての投資では新耐震基準の物件を選ぶ方が無難です。
Q. 区分ワンルームと一棟アパート、どちらが初心者向けですか?
一概には言えません。区分ワンルームは価格が低く始めやすい一方、空室になると収入がゼロになるリスクがあります。一棟投資は空室リスクを分散できますが、初期費用・借入額が大きくなります。ご自身の自己資金・リスク許容度に応じて検討してください。
Q. 修繕積立金は多ければ多いほど安心ですか?
一概には言えませんが、長期修繕計画に対して積立金残高が不足していないかを確認することが重要です。積立金が著しく少ないマンションは、将来的に大規模な一時金を求められるリスクがあります。
Q. 築古物件の耐用年数はどう調べればいいですか?
建物の構造(木造・RC造など)と法定耐用年数、築年数から算出できます。不動産会社や税理士に確認するか、国税庁が公開している耐用年数表を参照することをおすすめします。
まとめ:築古は「怖いもの」ではなく「理解して選ぶもの」
築古マンション投資のメリット・デメリット・反対意見と、都内築古区分ワンルームを選ぶ3つの理由をまとめます。
メリット:低価格・高利回り・価格下落リスク小・節税効果・学習コストが低い
デメリット:修繕リスク・融資条件(特に旧耐震)・入居者ニーズへの対応
反対意見:空室時の収入ゼロというリスク集中、修繕積立金不足の実態、区分投資自体を推奨しない立場も業界に存在
都内築古区分ワンルームを選ぶ3つの理由
- ①ワンルーム規制で新規供給が制限されている
- ②都内への人口集中で賃貸需要が安定している
- ③築30年前後で価格の下限を迎え、値下がりしにくい
築古物件は「古いから危ない」のではなく、「理解して選べば合理的な投資対象になり得る」ものです。ただし区分ワンルーム投資への否定的な意見も業界には根強くあり、万能の正解ではありません。特に都内の築古区分ワンルームは、需給構造・価格特性の面で会社員の学習用の1件目として向いた選択肢の一つだと、実際に保有した経験から実感しています。
まずは良質なセミナーに参加して情報収集し、7つのチェックリストを確認した上で、物件探しを始めてみてください。
【著者プロフィール】
34歳・2歳の娘を育てる、都内近郊在住のコンサルティング会社勤務(年収700万円台)。副業でブログ・不動産投資(2物件)・小売(個人事業主・青色申告)を並行しながら、50歳までの純資産1.5億円を目指して資産設計中。このブログでは、実体験にもとづいた家族資産設計の考え方を発信しています。
※本記事は個人の体験・一般的な知識に基づく記録です。不動産価格・融資条件・耐震基準の扱いは変更される場合があるため、最新情報は不動産会社・金融機関・専門家にご確認ください。投資判断は自己責任でお願いします。