「会社員でも不動産投資ローンは通るのか」「審査に落ちたらどうなるのか」——不動産投資に興味を持ち始めた会社員の多くが、この疑問を持ちます。
私は33歳、コンサルティング会社勤務の会社員です。不動産を2物件保有しており、1件目は滋賀銀行で540万円の融資(2割負担)、2件目はオリックス銀行でフルローン(3,280万円・金利2.875%・33年)と、2回の異なる審査を経験しています。
この記事では、実際の審査経験をもとに、不動産投資ローンの審査で見られるポイントと、審査落ちのリスクを正直に解説します。「自分は審査に通るのか」を冷静に判断するための情報をお伝えします。
このページの目次
目次
- 不動産投資ローンと住宅ローンの違い
- 審査で見られる5つのポイント
- 会社員が有利な理由・不利になるケース
- 筆者の審査経験:滋賀銀行1件目・オリックス2件目
- 初心者に滋賀銀行をおすすめする理由
- 審査落ちのリスクと事前にできる対策
- まとめ
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
まず前提として、不動産投資ローンと住宅ローンは別物です。混同している方が多いため、最初に整理します。
| 項目 | 住宅ローン | 不動産投資ローン |
|---|---|---|
| 目的 | 自己居住用 | 賃貸収益用 |
| 金利水準 | 低い(0.5〜2%程度) | 高い(1.5〜4%程度) |
| 審査基準 | 年収・返済比率が中心 | 年収+物件収益性+資産状況 |
| 融資期間 | 最長35年 | 物件・金融機関によって異なる |
| 融資額の目安 | 年収の5〜8倍 | 年収・物件・属性による |
不動産投資ローンは住宅ローンより金利が高く、審査基準も厳しい傾向があります。ただし物件の収益性(家賃収入)も審査対象に含まれるため、収益性の高い物件であれば個人属性だけでなく物件力で補える部分もあります。
審査で見られる5つのポイント
ポイント① 年収
不動産投資ローンでは年収が重要な審査項目ですが、本業年収だけでなく副業収入も合算できる場合があります。私の場合、本業年収500万円台に加えて副業収入(約300万円)があり、合算した収入水準が審査評価につながりました。
ただし副業収入は、確定申告で2年以上の実績があると評価されやすいです。直近1年だけの副業収入は審査に算入されないケースもあるため、事前に金融機関に確認することをおすすめします。
ポイント② 勤続年数
同じ会社での勤続年数が長いほど収入の安定性が評価されます。一般的に勤続1年以上あれば比較的審査が通りやすい水準になります。転職直後・試用期間中は審査が難しくなるため、転職のタイミングと不動産購入時期の調整が必要です。
ポイント③ 既存の借入状況
住宅ローン・カーローン・カードローンなど既存の借入が多いと融資可能額が減少します。特に消費者金融からの借入がある場合は審査に大きく影響します。不動産投資を検討している方は、事前に不要な借入を返済しておくことをおすすめします。
ポイント④ 物件の収益性
不動産投資ローンでは、物件自体の収益性(家賃収入・利回り・立地)も審査対象です。キャッシュフローが成立する物件は審査に有利です。逆に収益性が低い物件は、個人属性が良くても融資が難しくなることがあります。
ポイント⑤ 自己資金・金融資産
手元の自己資金・金融資産が多いほど審査では有利に働きます。頭金を入れることで融資額を減らし審査通過率を上げる方法と、フルローンで金融資産を温存する方法のどちらが良いかは、金融機関・物件・自己資金の状況によって異なります。
会社員が有利な理由・不利になるケース
会社員が有利な理由
- 収入の安定性:毎月一定の給与が保証されており、返済能力の予測がしやすい
- 源泉徴収票・給与明細の提出が容易:収入証明書類が整っており審査がスムーズ
- 社会保険・厚生年金への加入:雇用の安定性を示す指標として評価される
- 副業収入との合算が可能:確定申告実績があれば副業収入も年収に加算できる場合がある
会社員でも不利になるケース
- 年収が低い(本業のみで400万円以下)
- 勤続年数が1年未満・転職直後
- 既存ローンの返済残高が大きい
- クレジットカードの延滞履歴がある
- 収益性の低い物件を選んでいる
筆者の審査経験:滋賀銀行1件目・オリックス2件目
1件目:滋賀銀行で540万円の融資(2割負担)
1件目(都内築古・購入価格700万円)は、滋賀銀行で融資を受けました。物件価格700万円に対して2割(約160万円)を自己資金として入れ、540万円の融資を受けた形です。
このときの私の属性は本業年収500万円台・副業収入約300万円・勤続年数1年以上。滋賀銀行は不動産投資向けの融資に積極的な金融機関で、属性・物件のバランスが合えば比較的審査が通りやすい印象でした。
1件目で学んだのは、最初の物件は「自己資金を一定額入れることで審査ハードルを下げる」という戦略が有効だということです。フルローンへの憧れがあっても、1件目は2割程度の自己資金を入れてリスクを下げ、実績を作ることが2件目への道を開きます。
2件目:オリックス銀行でフルローン(3,280万円)
2件目(首都圏・3,280万円)はオリックス銀行でフルローン(金利2.875%・33年)を組みました。1件目より金額が大きく条件も厳しくなりましたが、以下の要素が審査通過につながりました。
- 1件目の不動産保有実績:家賃収入の実績が「不動産賃貸業としての収入」として評価された
- 金融資産の保有:株式・現金合計約1,267万円が返済能力の証明として機能した
- 物件の収益性:首都圏エリアでの安定した賃貸需要が評価された
オリックス銀行は不動産投資ローンに強い金融機関で、ある程度の実績・資産がある投資家向けの印象です。2件目以降を検討している方に向いています。
初心者に滋賀銀行をおすすめする理由
不動産投資を初めて検討している会社員に、私が滋賀銀行をおすすめする理由を整理します。
① 不動産投資融資に積極的
滋賀銀行は不動産投資向け融資に積極的な金融機関として知られています。大手銀行や地方銀行の中には不動産投資融資に消極的なところもありますが、滋賀銀行は融資実績が豊富で、初めての投資家でも相談しやすい環境があります。
② 勤続1年以上・年収500万円台でも通過実績あり
私自身、勤続1年以上・本業年収500万円台という属性で審査を通過しています。「年収が高くないと無理」「大企業勤務でないといけない」というイメージがありますが、滋賀銀行は比較的幅広い属性に対応しています。
③ 2割の自己資金で始められる
フルローンを組むより自己資金を2割入れることで、融資額が下がり審査ハードルが下がります。700万円の物件であれば140〜160万円の自己資金で始められる計算です。生活防衛資金480万円を維持しながら投資できる水準です。
④ 1件目の実績が2件目への道を開く
滋賀銀行で1件目の実績を作ることで、2件目以降の融資交渉が有利になります。私のケースでは、滋賀銀行での1件目実績がオリックス銀行でのフルローン審査通過につながりました。最初の1件は「実績作り」と割り切って、融資が通りやすい条件で始めることが長期的な資産形成の近道です。
| 項目 | 1件目(滋賀銀行) | 2件目(オリックス銀行) |
|---|---|---|
| 物件価格 | 700万円 | 3,280万円 |
| 融資額 | 540万円(2割負担) | 3,280万円(フルローン) |
| 金利 | — | 2.875%・33年 |
| 審査の難易度 | 比較的通りやすい | 実績・資産が必要 |
| おすすめの対象 | 不動産投資初心者 | 2件目以降の投資家 |
審査落ちのリスクと事前にできる対策
リスク① 信用情報の問題
クレジットカードの延滞・消費者金融からの借入・債務整理の履歴は信用情報機関(CIC・JICC)に記録されます。この情報は不動産投資ローンの審査でも照会されます。
対策:申込前にCIC・JICCへの自己開示請求で信用情報を確認しておく。問題があれば記録が消えるまで(延滞は5年、債務整理は5〜10年)待つ必要があります。
リスク② 返済比率オーバー
既存のローンと新規の不動産投資ローンを合算した返済額が、年収に対して一定比率を超えると審査が難しくなります。一般的に返済比率は年収の30〜40%以内が目安です。
対策:申込前に既存ローンの返済状況を整理し、返済比率を計算しておく。不要なローン・カードローンは事前に完済する。
リスク③ 複数社への同時申込
複数の金融機関に同時に融資申込をすると、信用情報に「多重申込」として記録され審査に悪影響を与えることがあります。
対策:申込は一社ずつ順番に行う。不動産会社経由で金融機関を紹介してもらうと、事前の審査可否の見立てができるケースが多い。
まとめ:初心者は滋賀銀行で1件目の実績を作ることが近道
- 会社員は収入の安定性から審査において有利な属性。本業年収500万円台・副業収入約300万円・勤続1年以上で審査通過の実績あり
- 勤続年数は1年以上あれば比較的通りやすい水準になる
- 初心者には滋賀銀行がおすすめ。2割の自己資金を入れることで審査ハードルが下がる
- 1件目(滋賀銀行)で実績を作ることで、2件目以降(オリックス銀行等)のフルローンへの道が開ける
- 信用情報・返済比率・多重申込には事前に注意が必要
不動産投資ローンは「会社員だから通る」でも「会社員だから無理」でもありません。自分の属性・借入状況・物件の収益性を正確に把握した上で、購入前のチェックリストを確認しながら進めることが大切です。
まずは信頼できるセミナーや不動産会社に相談し、自分の属性でどのような融資が可能かを把握することから始めてみてください。都内築古区分ワンルームのような低価格帯の物件から始めるのが、融資審査・リスク管理の両面でおすすめです。
【著者プロフィール】
33歳・1歳娘の子育て世帯。コンサルティング会社勤務(年収700万円台)。不動産2物件・株式・副業を並行しながら、50歳までの純資産1.5億円を目指して資産設計中。このブログでは、実体験にもとづいた家族資産設計の考え方を発信しています。