「保険、ちゃんと入った方がいいよね?でも何に入ればいいか分からない……」
30代になって子どもが生まれると、急に保険のことが気になり始めます。保険の営業担当者に相談すると、次々と商品を勧められて、気づけば毎月の保険料が3〜5万円になっていた、という話は珍しくありません。
でも、実はほとんどの会社員は「すでにかなりの保障を持っている」んです。それを知らずに民間保険に入ると、ダブりだらけの無駄な出費になります。
コンサルタントとして数字を見続けてきた私が考える結論はシンプルです。会社員の保険は「すでにある保障を把握し、足りない分だけ補う」が正解です。順を追って解説します。
このページの目次
会社員が知らずに持っている「3つの公的保障」
民間保険を検討する前に、まず会社員として加入している社会保険・団体保険の保障内容を把握することが最優先です。意外と手厚い保障が揃っています。
① 傷病手当金(健康保険)
病気やケガで仕事を休んだ場合、最長1年6ヶ月間、標準報酬日額の3分の2が支給されます。年収600万円の方なら月約33万円、年収700万円台なら月約38万円前後が受け取れます。「病気になって収入が途絶えたら」という不安をかなりカバーしてくれます。
② 遺族厚生年金(厚生年金)
会社員が亡くなった場合、配偶者や子どもに遺族厚生年金が支給されます。加入期間や標準報酬月額によって異なりますが、年収700万円台・加入20年以上の場合、遺族への支給額は年間100〜130万円程度になることが多いです。「死亡保険が必要か」を考える上で、この金額を起点にするべきです。
③ 会社の団体保険・福利厚生
多くの企業では、団体生命保険や団体長期障害所得補償保険(GLTD)に加入しています。死亡時の弔慰金・退職金制度なども含めると、実は相当な保障がある会社も少なくありません。まず自社の福利厚生規程を確認することが第一歩です。
住宅ローンがある人は「団信・ガン団信」を忘れずに
住宅ローンを組んでいる方は、必ず団信(団体信用生命保険)の内容を確認してください。これが保険設計において非常に重要な要素になります。
団信とは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害になった場合に、残りのローン残高が全額弁済される保険です。つまり、死亡時には「住宅ローンが消える」という大きな保障がすでに組み込まれているわけです。
さらに最近では、ガン団信(がん団体信用生命保険)を付帯しているケースも増えています。ガン団信は、がんと診断された時点で住宅ローンが完済される特約です。フラット35や一部の銀行ローンでは、死亡・高度障害に加えて「がん診断」でもローンが消えます。
我が家もガン団信付きのローンを組んでいます。がんと診断された瞬間に住居費がゼロになる、というのは非常に大きな保障です。この保障が存在することで、民間のがん保険の必要性はかなり下がります。
自分の団信・ガン団信の内容を確認したい場合は、ローン契約時の書類か、銀行の担当者に問い合わせるのが確実です。
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「ギャップ」はどこに生まれるか?民間保険が必要な場面
会社の保障・団信・社会保険を確認した上で、それでも民間保険が必要な場面を具体的に整理します。
① 就業不能リスク(長期療養・精神疾患)
傷病手当金は最長1年6ヶ月ですが、それ以降の収入補償はありません。うつ病・がんの長期治療などで1年6ヶ月を超えて働けない場合、収入がゼロになります。このギャップを埋めるのが就業不能保険です。月5,000〜1万円程度の保険料で、長期間の収入を補償できます。
② 死亡保障の不足分
遺族厚生年金や団体保険では足りない分、残された家族の生活費・教育費を賄う必要があります。ただし、住宅ローン(団信で消える)と遺族年金を差し引いた「純粋に必要な保障額」を計算すると、意外と少ない場合も多いです。定期保険や収入保障保険で最低限をカバーする形が合理的です。
③ 医療費の自己負担(高額療養費制度の盲点)
日本には高額療養費制度があり、1ヶ月の医療費自己負担には上限があります(年収700万円台では月約15〜17万円が目安)。つまり、入院・手術の医療費は公的制度でかなりカバーされます。医療保険は「差額ベッド代・先進医療費用」などの実費部分を補う最低限の内容で十分です。
我が家の保険の実際の組み方
参考までに、我が家(年収700万円台・住宅ローンあり・2歳娘あり)の保険構成をお伝えします。
死亡保障は、団信+遺族厚生年金でほぼカバーできると判断し、民間の死亡保険は小額の収入保障保険(月7万円×15年)のみ。月の保険料は約3,000円です。医療保険は入院日額5,000円のシンプルなプラン(月約1,500円)のみ。がん保険は団信のガン特約でローンが消えるため未加入(家賃13万円の物件を保有してる為、ローンが消えればそのまま13万円が懐に入ります)。
合計の保険料は月約8,000円程度。以前は月2万円以上払っていたので、見直しで年間約15万円の節約になりました。
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まとめ:会社員の保険見直し3ステップ
- STEP1:会社の団体保険・福利厚生規程を確認し、死亡・障害時の保障額を把握する
- STEP2:住宅ローンがある場合、団信・ガン団信の適用範囲を契約書で確認する
- STEP3:遺族厚生年金・傷病手当金と合算し、「不足している保障だけ」を民間保険で補う
保険は「多く入るほど安心」ではありません。必要な保障を必要な分だけ持ち、浮いた保険料をNISAやiDeCoの積立に回す方が、長期的な家計の安定につながります。
「自分の場合、何がどれくらい足りないか分からない」という方こそ、まずプロに一度整理してもらうことをおすすめします。